私のお菓子作りの原点は母が誕生日に作ってくれたバラの花ののったバタークリームのデコレーションケーキ。バタークリームが不味いクリームの代名詞だったその時代でも、母の作ってくれる本物のバターを使ったクリームはとても美味しかった。 丁寧にバターを柔らかくクリーム状にしてそこに少しずつシロップを垂らしてクリームを作っていく。バニラエッセンスを加えて、一部をピンクに染める。プリン型の底にバタークリームでバラの花を絞り出していく。この上もなく至福の瞬間。 スポンジケーキにクリームを塗り、バラの花を置き、緑色に染めたクリームで葉っぱを絞り、縁飾りをしてアラザンを振りかける。 プリン型の底に少し残ってついているクリーム、絞り出し袋のクリーム、ボールに付いたクリームを舐めるのは子供達の特権だ。いや、クリームを作っている最中に横から指を突っ込んでよく、しかられたものだ。 母の誕生日にちょうど実家に帰ることになった。 お菓子作りの道具は一通りは置いてあるので久しぶりに“お母さんのデコレーションケーキ”を作った。お誕生日の人が一番大きなバラの花の乗っかった部分を食べる権利がある。子供の頃思ったものだ、大人の人ってなんて寛大で我慢強いんだろう、私だったらクリームののっていない小さなケーキなんて誕生日でなくったって絶対我慢できないのに、と。
by friand
| 2006-05-30 19:52
| お菓子雑感
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