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難しくて装丁のきれいな本



一年ほど前に書いていたのだけれど、公開するのをわすれていたエントリー。もったいないので。

私が高校生の頃は身の程知らずな難解な本を訳もわからず本棚に並べてみたり、前衛の演劇を観に行ったりしたものだった。ただただひたすら生意気だった。
それに引き換え、今日日の若いもんは…  

と思いつつムスメを見てきたのだが、高校一年生から二年生になるあたりで突然変わり始めた。
難しい本を読むようになったのだ。
うちのムスメ特有の性質か、世代的なものか、地域的な要因か、とにかくまともな本を読まない、と私には見えていた。
小学生のとき、青い鳥文庫しか読まないと友人に愚痴をこぼすと、読むだけましだよ、という返事が返ってきた。そうなのかあ、と見ていると、Z会の添削(小学生からある、今年から幼児コースもできたらしい)などで読んで興味を持ったものなんかを中学生くらいになって本体を買って読むようになってきた。
最近では某有名でない私大の哲学科!卒の私にもわからないような難しい本を読んでいたりする。
老いては負うた子に教えられ。
生意気にこれは装丁がきれいだ、と吐かす。

この本、超インテリじいさん二人が今時の「書物」について語っている。
エーコの「薔薇の名前」は小説もショーンコネリー主演の映画も面白かった。
この話の中で中世の図書館が炎上するクライマックスはは印象的だ。
エーコは次の作品フーコーの振り子の初項をおさめたフロッピーディスクが行方不明だと嘆いている。これが紙原稿だったらこんなことにはならなかっただろうにと。そしてフロッピーが出てきたとしてももはや今のコンピュターでは読むことができないと。
この本、持っているけど、なかなか読めずにいる。なんだか取っ付きにくくって。

でも紙書籍での出版はなく電子書籍がメイン、という時代がきたら、私は本を読み続けることが出来るのだろうか、と不安になる。
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by friand | 2013-01-13 10:45 | 雑記

ドナルド キーン


 
お正月のような、のんびりした時間の中でしか、ゆっくりと心に染みて来ない番組がある。
BSの新春スペシャルでドナルド  キーンさんのドキュメントを見た。
3.11の大震災後日本人になったアメリカ出身の日本文学者、日本文学研究を世界に紹介した草分けである。

なんだか引き込まれて2日連続、でついつい見てしまった。
キーンさんの理知的でチャーミングな目を見て,お話を聞いているうちに、遠くにいる有名人ではなく、自分の先生、あるいは遠い親戚の偉いおじいさんみたいな気持ちになって,呼び捨てに出来なくなってしまった。

90才と言う高齢だが精力的に動き回り、ひとと接し、研究を続ける姿勢、彼は自分がこんな風に健康で長生きできて、運が良いと言う。そして残りの時間を普通の(たぶん彼の愛している)日本人としていき、日本人として死んでいきたい、とも言う。
日本文学を愛すだけでなく、かくも日本人を愛してきたのかと、逆にこちらが彼のことをいとおしく思ってしまう。
そして今まで彼を愛してくれた日本人に対する感謝として日本人になることを決意したという。日本人であることが羨ましい、本当に日本人になりたかった、と実行で示したのだ。

うちに唯一あったキーンさんの著作日本人の戦争―作家の日記を読むを読みはじめた。いつの間にか大人になったムスメが買っていたもの。
なんだか、キーンさんの眼差しにも、当時を生きた作家たちのリアルタイムの記述にも泣けるなあ。と同時にある種の戦慄も。

経済も政治も混迷しているなかで右傾化が加速しているように感じる今日この頃、日本人である、ということがどういうことなのかを考えてみるのにちょうどいい、一冊。
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by friand | 2013-01-07 17:00 | 雑記

テルマエ・ロマエ



これはオモロい。
映画はまだ見ていないのだが、主人公の独白が阿部寛の声で聞こえてきてしまう 。

宅浪中のムスメが歴史好きでローマ好き。(でも歴女ではない、そういうカテゴリに入れたら激怒033.gif) ヨーロッパ・中東を知るにはまずローマ、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教とのたまう。
昨日、読了していたのはイスラームと科学

ムスメの進路について知人にちょっと相談したら、
「でもね、Uemuraさん、いろんな事いって、親が一生懸命色々心配しても、ある日突然、沖縄で土産物屋になってるかもしれないからね。それも含めて、ムスメの人生だからね… 」
ちなみに彼は50歳にして転職、とあるムラの寺の住職となる。一流の大学の経済か 商の出身。言葉の端々から俗世にいた時代、かなり色々「ビジネスマン」としてあった模様。

沖縄の土産物屋になったお嬢さん、その子あんたの何なのさ 015.gif
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by friand | 2012-04-29 09:05 | 雑記

家禽の図鑑



前にも書いたように、つくば近辺の公園の池や沼には野良家禽がたくさん住んでいる。
ペットの図鑑はたくさんあるけれど、家禽の一般向けの図鑑は非常に少ない。今までうちにあったのはずいぶん古い、図書館の廃棄本。
で、こういうのが好きなのがうちにいてやっと見つけて、買ってきた。それが日本の家畜・家禽 (フィールドベスト図鑑 特別版)
ニワトリの世界がいかに深いかが良くわかった。
生体の写真や剥製、丸焼きや鍋などが一緒に載っているのが何と言っても面白い 011.gif
もう一つ興味深かったのは、著者の一人が秋篠宮文仁氏であったこと。
結婚当初、ナマズの殿下として有名だったが、今は野鶏が専門らしい。
大昔、ロンドンの大英博物館のナチュラルヒストリーの前で見かけたことがあった。


私事でしばらく取り込んで、更新が途絶えるかもしれません。
でも、チョコレートで燃え尽きたのではありませんのでご心配なく。
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by friand | 2012-03-17 16:48 | 雑記

オーボン ヴュータン

私がフランス菓子店「オーボン ヴュータン」を知ったのはエコール・ルノートルでスタージュを受けているときだった。当時池袋西武のルノートルからルノートル製菓学校に派遣されていた職人とたまたま同じクラスになり、色んなことを教えてもらった。その時彼は日本に帰ったら絶対に「オーボン ヴュータン」に行くようにと言った。その聞き慣れない名前に私は何度も聞き返し、ノートにメモを取ったように思う。思い返せばそれは80年代の初め頃、河田氏が尾山台にお店を持ってからまだそんなに時間が経っていない頃だった。

フランスに一年ばかり滞在し、いくつかの学校でスタージュを受けてすっかり生意気になって帰ってきた私は、当時日本のどのお菓子を食べても水っぽく特徴無く、物足りなく感じた。そしてフランスの配合で作ってもイメージ通りの味が出来ない。美味しさが表現できない。気候風土、手に入る素材、日常口にしている食べ物などが全て違う。
ルノートルで出会ったO君の言葉を思い出し、私は尾山台の「オーボン ヴュータン」に出かけた。そして当時まだ店内にあったサロン・ド・テでいくつかのお菓子を食べ、衝撃を受けた。
フランスで食べて感じた美味しさがそこにあったのだ。80年代、今と違って材料は本当に手に入らなかったはずだ。
河田氏は日本の環境と素材で、日本の空気を吸い、日常日本の食べ物を食べ、日本的な文化にどっぷりとつかっている日本人に、フランスで食べた時と同じ感動、同じ美味しさを提供していたのだ。
80年代、90年代と私は奈良から定期的にオーボン ヴュータンを訪れた。その間河田氏のお菓子は決して私を裏切らなかった。
テレビ番組でブレイクした後、一時期まるで合戦の後のような光景だった時期もあるが…

オーボン ヴュータンの河田勝彦氏が新刊「古くて新しいフランス菓子」を出した。
河田氏がこだわり続けてきたフランスの大地と文化に根ざしたお菓子を「古典菓子」「近代菓子」「伝統菓子」の三つに分類しルセットを紹介している。そして今回特徴的なのはその菓子やそれを創り出した職人について詳しく解説していること。
特に「近代菓子」にはアントナン・カレームからガストン・ルノートルまで、フランス菓子の歴史を作ってきた職人についての略伝がきちんと載っていて印象深い。
私の書きかけと菓子職人の部分はほぼ同じ人選であったのが嬉しい。というかカレーム以降の流れはこれ以外にはないのだけれど。
私のリストには現役真っ盛りでかえって失礼かと思い、敢えて書いていなかったのだけれど同時代の菓子職人として河田氏の名前を最後に入れたいと思っていたのだった。


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by friand | 2010-10-12 18:52 | お菓子雑感

船に乗れ!

今時の高校生の青春ものかと思って読み始めたら、何とかなり自分に近い年代の高校生のお話だった。

藤谷治 著
船に乗れ!〈1〉合奏と協奏

第一巻を読み終えたところ。
チェリストをめざす男の子の一人称。青くて固い自意識、これを書くには30年以上の時が必要だったんだろうなあ、とソウイウ青春のかけらを持っている者には理解できる。
この作者の本を読むのは初めてだけど、引き込まれるよう引き込まれないような。
青春小説と音楽、哲学などが渾然と一体化し、当時言葉だけは知っていたけど全然理解していなかったことなども主人公同様で、アラ恥ずかしい!  という第一巻でありました。
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by friand | 2010-03-13 13:27 | 雑記