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二十年ぶりに

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二十年ぶりに自分のおひな様を出した。
ずっと押し入れに入っていたままだったのでどういう状態かとても心配だったが、出してみると傷みもなく、何一つ欠けることなくきれいな状態で現れた。

子供の頃の早春の宵、ぼんぼりをともして、ただ何をするでもなくこのおひな様の前に座っているのが好きだった。
少し湿った空気と土のにおいが古い木造家屋のにおいと混じってしっとりと身体にまとわりついた。
薄暗い座敷の照明。
邪気のない静けさ。
夜中にこっそり宴を繰り広げるのだろうか。



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by friand | 2010-03-09 21:26 | 雑記

時代

昨年より断続的に奈良の生家の整理に入っている。
無人になっていた家だが、ちゃんと住みこなせば“お屋敷”といえる造りだけに荒れ果てた姿は見るにしのびないものがある。
しかし私が帰るとこの家が大きく深呼吸するのを感じる。生きている。
この家の持つ矜持だろうか、荒れた中にも毅然とした姿を保つ生家を前にして、維持しきれない末裔として忸怩たる思いがある。
戦前志賀直哉邸をはじめ文化人の家も多く手がけてきた数寄屋造りの下島松之助棟梁の仕事には80年経った今も何の狂いも生じていない。

子供が育つには住みにくい家だった。夏涼しく冬寒い伝統的な日本の家。南側と北側の両方に廊下があり窓のある部屋にあこがれた。
唯一窓のある部屋が女中部屋だったというのは皮肉な話である。

ここは八墓村ですか? 奥から双子のおばあさんが出てきそうですね、と言った人もある。
しかし、私にとっては不思議と邪気のないこわくない家だった。

色んなものの行き先を見つけてあげないといけない。

棚の奥に私がはじめてフランスに行ったときMORAで買ったシノワがあった。
余りにプロっぽすぎて家庭では使いにくく、ずっとお蔵入りしていた道具だ。
これを見つけた骨董屋の友人が、
「これは売れるよ、いい感じで時代が出てきている」という。
ああ、持ち主の私にもずいぶん時代が出てきているけど、値打ちはどうだろう。
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by friand | 2010-03-02 21:08 | 雑記

おひなさま

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思いがけず登場した和風の飾り棚のおかげで、玄関に季節感を出せるようになった。

奈良のおひな様と言えば一刀彫。作家や時代によって表情や奈良絵の衣裳の色合いなども違いがある。
5段飾りを出すのは大変だし、一つくらい持っていてもいいでしょう、ということで昔母が買ってくれたもの。湿気でシミが出てしまったけれど気に入っている柄とお顔。

私が子供の頃はおひな様は5段飾りが主流だったようで今のようにお道具つきの7段飾りではなかった。
私はお道具が欲しくて欲しくてたまらなかった。初節句の写真を見たらお道具が並んでる。このときだけ伯母のものを借りてきて飾ったのだそうだ。
私が大人になってからなのだけれど、その話をしたら伯母が自分のお道具を貸してくれるという。伯母の方はおひな様が傷んでしまってもう手許にはないらしい。そのまま持っていていいよ、と言ってくれて借りたままになっていた。
その後何年かして伯母は亡くなった。
従姉にその話をしたら気に入っているんだったら、Yちゃんにあげる、と言ってくれた。ありがたく伯母の形見としていただいたのがこのお道具。

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d0003995_752130.jpg最も気に入っているのがこれ。携帯用のお弁当箱なのだろうか。開くとこんな感じに。
飾ったことのある人ならわかると思うのだけれど、“雛形”と言う言葉があるように、おひな様は全てが本物そっくりに出来ていることが嬉しくてたまらない。親王の刀が本当に抜くことが出来たり、右大臣左大臣の弓に糸をを張って、背中に背負ってる矢をつがえて障子を的に射てみたり。








d0003995_7102066.jpg伯母は大正生まれだったのでこれらはそれの頃のものだろう。
こういう今はもう手に入らないような細工を施されモノ。そういうモノが命を全うするまで手助けするのが人間の役割の一つではあるまいかと思う今日この頃。
これは食べたら終わり、のお菓子を作り続けている者のセンチメンタリズムかもしれない。

カタチとキオク。
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by friand | 2010-02-21 07:07 | 雑記

和風空間が-2

d0003995_21264128.jpgそんなワケでいきなり玄関脇に出現した棚だけれど、ちょうどお正月の屠蘇器や漆器などを飾ってみるとなかなか静謐な空間ではあるまいか。
一枚だけあった和風の版画、置き場所が無くてトイレにあるチョコエッグのコレクションの棚の後ろに隠れていたのが見事に復活。
今まで行き場所、飾り場所の無かった小さなものが生かせるかもしれない。
一緒に持ち帰った螺鈿の正月用漆器は今年のお節には間に合わなかったけれどとにかく飾ってみる。小振りの四段重がついていて小さい頃からの私のお気に入り。
まさか私の手許に置くことになるとは思っていなかった。これは嬉しいことなのか寂しいことなのか複雑なところ。d0003995_2134816.jpg
詳しい人に見てもらってはじめてわかったのだけれど三段の盃はこのセットとは別のものらしい。
これだけ格が落ちるんだそうな。屠蘇器に合わせたものに買い替えなさいと言われてしまった。
また所々傷みが来てるのでちゃんと修理に出すようにと。修理先まで紹介していただいた。
何しろ昭和初期に建った家のそのまた前から存在したものなのだから。

d0003995_21463286.jpg輪島のお椀も一段と美しく見える。輪島の工房の蔵出しのもので、未使用だがずいぶん古いものらしい。日本産の漆が使われている。
東南アジア産の「ジャパンド」が当たり前の世の中、今の時代にはもはやなかなか手に入らないものだそう。
d0003995_215023.jpg東大寺のお水取りの椿の土鈴と興福寺の厄除けの土鈴。かわいく納まってくれちゃった。
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by friand | 2010-01-11 21:20 | 雑記

和風空間が

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やっと2009年の主な話題が終わり、
あらためて、明けましておめでとうございます。
お菓子を中心に書いてまいりましたが今年も作ったもの食べたもの、そしてお菓子に限らず周辺の事などに言及してゆきたいと思っています。

さて、突然我が家に和風空間が出現した。
上の屠蘇器もその一つ。築13年の2×4住宅に本格的な和風の部屋/生活など望むべくも無く、来客用に畳の部屋はあるもののあくまで人数に限定されない使い勝手を重視してのこと。
そんな我が家にあまりに突然の黒檀の飾り棚。
d0003995_1475688.jpg幅半間の超和風のこの棚。実家にあったものだが置き場に困り、また二束三文で処分するに忍びず、たまたま来合わせた骨董/時代のついた雑器などの好きな人達の薦めもあって、運ぶことに。
玄関にいずれちょっとレトロな洋風の飾り棚でも欲しいと思ってた場所にサイズ的にはぴったり納まる。
でも実際に置くまでは非常に不安だった。
唐木の家具を下手に配置するととても陳腐になると個人的には思っていたからだ。
背景のシナベニヤに塗装した腰壁、十分陳腐か?
でも北側の玄関が幸いして薄暗がりでは余り目立たない。
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by friand | 2010-01-10 14:29 | 雑記

路地咲きのバラの花

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埼玉県に住む従妹から路地咲きのバラの花が送られてきた。
正確には従妹ではないのだけれど昔から従妹待遇で付き合ってきた。
路地に咲くバラの花を見て、私の亡くなった父のバラ園を思い出してくれたらしい。
父はハイブリッドのバラを何百本と作り、春と秋のコンテストにいつも出していて、入選の常連でもあった。
盛りの頃となると庭中にバラの花が香った。
私の実家を知る人はバラと私のお菓子をセットで思い出してくれるらしい。
父は私の客のためにバラを丹精し、私は父の客のためにお菓子を作った。そんな時期が何年かあった。
お互いに自分の好きなことを通して孝行することが出来た幸せな父子であったと思う。
そして母はそのどちらもを応援してくれた。時にはぶつぶつ文句を言いながらも。
父の丹精したバラの庭はもう無い。
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by friand | 2008-09-20 20:23 | 雑記

奈良限定のスヌーピー

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東向き通り商店街で奈良限定のスヌーピーを見つけた。
鹿の角がはえていて鹿せんべいを持っている。
テリー伊藤が「ぬる坊」と命名した平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターよりなんぼか可愛い。いや、断然可愛い。
思わず大小2個買ってしまった。
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by friand | 2008-04-10 21:30 | 雑記

奈良の鹿

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春休み、奈良へ。
「鹿男あをによし」で頻繁に登場した飛火野(とびひの)で鹿に出会う。
あのロボットの鹿が置き忘れられていたのかと思うくらい。今にも話しかけてきそう。
おいおい、「しるし」はつけないでおくれよ。
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玉木君が良くぶっ倒れていた小川。
この奥の方に「ささやきの小径」というデートコースがある。
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ノグチの制服屋が今でもあのままの姿で健在なのは驚きだった。
ウインドウに飾られている奈良の中高の制服も健在だった。

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三条通にある浄教寺のしだれ桜。

今回の奈良の滞在はゆっくり鹿男廻りをするつもりだったのだが、予定外の事が起こり成就出来ず。
そのわりに「らしい」写真が撮れたかも。
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by friand | 2008-04-09 20:55 | 雑記

鹿男 第3回

1月18日のエントリーで「鹿男あをによし」を原作をしのぐ面白さだと大いに褒めたのだけれど、昨日の第3回はちょっとガッカリだった。
まず、いきなり玉置君が鹿になってしまった。もうちょっと徐々になって欲しいところ。
「サンカク」を手に入れるために大阪の道具屋筋まで出かけ、ついに盗み出そうとすると言うエピソード。
この原作にはないつまらないエピソードを入れるくらいなら、今後の剣道の試合や大和杯に向けて学校の中を丁寧に描いたほうがなんぼか面白いのでは無かろうか。
トロフィー屋のオヤジを演じた役者の個性に寄りかかった安易な作り方は嫌いだ。
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by friand | 2008-02-01 18:24 | 雑記

“なにわ”な日

あをによしの国へ母のご機嫌伺いに帰った。

私がお菓子の先生として駆け出しだった頃の生徒の一人と久しぶりに大阪で会う約束。
ここ何年も帰りは京都経由だったのだが久しぶりに大阪回りで帰り、夕食を一緒にする。
心斎橋の近くのフレンチを予約しておいてくれた。
私はもともと大阪には土地勘がないし、今時のお店は全然わからない。
カウンターとテーブルで20名も入れば満席になりそうなサカナザというビストロ風のお店。
夜は5250円と7350円。
後者を食べたのだけれど、オードブル2品、スープ、魚、肉、デザート。
量はそれほど多くないけれどどれも客を飽きさせない。
デザートの組み合わせのセンスも良い。
パンも今はやりのルヴァンの堅いバゲットではなくトラディショナルなバゲット。
ルヴァンは堅すぎて自分たちの料理には向かないと言う店主の考え。

オードブルに「紅ズワイガニのジュレ寄せ」と「フォアグラのソテー 卵のブイエ」
スープに「昔ながらのオニオングラタン」小さなライオンヘッドボウルが可愛い。
魚は「鯛の炭火焼き」、間にグラニテ、肉は「蝦夷鹿のポワレ」
デザートは「温かい チョコレートケーキ  フランボワーズのシャーベット添え」
をいただいた。
料理もサービスもさりげなく、ああ、都会だなあと思う一時だった。
大阪はもともとの食文化の奥がが深いため、上っ面だけの料理やサービスは受け入れてもらえない。とても満足でした。もう少し量があっても私は大丈夫だけど。

今日も大阪経由で帰る。
JR大和路線に乗っていると急にインディアンカレーが食べたくなった。
私が子供の頃からあるカウンターだけのカレー屋。
大阪の地下街に行くと無性に食べたくなる。ちょっと辛めで、甘味もあって塩味も効いていて、甘酸っぱいキャベツの酢漬けが付いてくる。
ひとたびこの味が脳髄に甦ると食べずに大阪を通り過ぎることは不可能だ。
阪急三番街でこのカレーを食べて、さらに551の蓬莱の豚まんををお土産に買う。
そして新大阪へ。新大阪の駅の改札の横に何故か御座候。ほとんど改札口と一体化して風景に溶け込んでいる。そんじょそこらの回転焼きとはちょっと違う。
これもお土産。

とってもナニワな日だった。
次も大阪回りでかえろっと。やっぱり大阪はええわあ。

HPを見て今知ったのだけれど御座候って姫路が発祥だったんだ。
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by friand | 2008-01-27 19:10 | 雑記