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食品偽装

子供の頃、近所の肉屋のコロッケはビーフと銘打っているが実は牛肉はおろか肉類が一切は入っていないのではないかと噂されていた。私もコロッケを分解して調べたのだがいもの中にミンチのように見える黒っぽい物体はどう見てもじゃがいもの皮だった。それでもそのコロッケは妙にクセになる味で、買う方もミンチが入っていないことを疑いつつ、「ビーフコロッケ」を買っていたように思う。

カスタードクリームを炊くとき、このバニラのつぶつぶを炭の粉にして、バニラエッセンスを加えたらどうなんだろう、とふと思った。
人間の舌は思いの外鋭いのだが、ある種のバイアスがかかっていると一瞬にしてその鋭さを失うことがあるのだ。
ましてや制作者に欺こうというはっきりとした意図がある場合、見抜くのは困難かもしれない。
炭の粉とバニラエッセンスで消費者を欺けるかどうかは不明だが、食べ物を他者に提供する者として当然のことながら超えてはいけない一線である。ミートホープ社の一件はまさに超えてはならない一線だ。しかし食品加工業界の氷山の一角という気もしないではない。

この3、4年ばかり天然バニラの高騰が続いていた。値段は数倍に跳ね上がり、一時は私のような末端の消費者には手に入らないくらいに品薄になっていた。
去年くらいから徐々に値段が落ち着き始め、やっとブルボン産の上質のバニラが1本換算で100円以下で手にはいるまでになった。他の輸入材料が全て値上がりしているなか、これだけは嬉しい。
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by friand | 2007-07-07 09:23 | お菓子雑感

賞味期限

私が子供の頃は食品の消費期限、賞味期限はほとんどが消費者の自己責任だったように思う。
売る方も生鮮食品で古い食品を出すとその店の評判が落ちるし、事故でも起きれば死活問題だ。と言うわけで双方気をつけて生鮮食品には臨んでいたのだが、昨今は「消費期限」や「賞味期限」を絶対視する傾向が強まり、売る方も買う方もそれに頼りがち。
生まれたときから食品には印刷された「期限」があると思っている今の子供達は一日でも過ぎれば口を付けないことがある。正直困ったものだと思う。

仕事柄生クリームは常に冷蔵庫にある。いつも余裕を持って持って居たいのでしばしば賞味期限切れとなる。こんな時は自宅で消費しきることの出来る試作品か、熱を通すお菓子か料理に使うことにしている。
しかしそれでも賞味期限切れのものが余ることがある。お菓子も料理も生クリームを使ったものには食べ飽きたときだ。
手許に十分食べることが出来る生クリームがあるのに、レッスンのために新鮮な生クリームを買う。ああ、もったいないな、と正直思う。
私は消費期限も賞味期限も絶対ではないと思っているけれど「賞味期限」の切れた生クリームを家族以外の「他人」が絡むときに使用しない、と言う原則は守ることにしている。これは「他者」に対して私自身が引くラインであり、賞味期限信仰とはちょっと意味合いが違う。
賞味期限が切れたその瞬間から味が落ちるのか、と言えば絶対そんなことはない。じゃあいつから落ちるのか、と言えば非常に不確定要素が多い。だから一つのわかりやすい指標としてメーカーのつけた「賞味期限」を私は採用することにしている。
これを緩めてしまうとだんだん感覚が麻痺してゆき、雪印や不二家のような大事故に繋がる。人間は楽なものには弱いのだ。

かく言う私もレッスンで生クリームを間違って少なく用意してしまい、生徒の了解を得て使用したことはある。1度、2度なら快く了解してもらえるかもしれないけれど、しょっちゅうそんなことやっていたら信用落ちまくりでしょう。
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by friand | 2007-07-07 09:03 | お菓子雑感

7月の松茸

d0003995_21173475.jpg松茸と言えば秋の味覚の代表だが、それは国産の旬のことで実際は夏になると外国産の物が出始める。今日たまたま覗いた果物屋さんで初物の松茸を見つけた。何とも立派で新鮮。今年初入荷だそうだ。
香りは秋の物には及ばないがどうよ、と自慢げなご主人。
私は一年に一度だけ、必ず松茸を買って食べることにしている。そして絶対に作るのは土瓶蒸しだ。
私の生家にはちょっと小降りの松の葉の模様が描かれた土瓶蒸し用の土瓶があった。一年に一度、秋祭りの頃にこの食器が登場する。小さい子供にまでもちゃんと一人前ずつ用意される。おちょこのようなふたにつゆを注ぐ。このおままごとのような儀式は小さな私にとって至福の時だった。
兄が結婚して最初に買った食器が土瓶蒸しだった。私も結婚するときに自分の土瓶蒸しを買った。土瓶蒸しは私たちにとってたぶん家庭の象徴のような食器なのだ。

私は果物屋のご主人に一年に一度だけ、でも必ず食べる松茸の土瓶蒸しの話をした。ご主人はそうなんだ、松茸を食べるということはこれは贅沢とか、そう言うレベルの話でではなく、「祭り」なんだ、と言った。私はそのご主人の「祭り」という表現にほだされて、松茸を一箱買った。大きいのが3本入って6000円。悪くない買い物だと思う。

今夜、我が家は松茸の土瓶蒸しと、松茸ご飯、焼き松茸が食卓に上った。
嗚呼、今夜我が家に突然「祭り」が訪れた。
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by friand | 2007-07-04 21:34 | 料理