カテゴリ:お菓子雑感( 72 )

私が子供だった頃 その1

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昨年末Macが壊れて、新しいiMac、LIONに買い替えた。旧機はハードディスクが壊れていたので交換、OS 10.7と旧機の10.5では違いが大きく、使えなくなっているアプリケーションが多く、旧機も復活させるしかない。でもLIONチャンはとても賢い。

ところでデータをバックアップから復元していく過程で、かつての何度かのデータ移転で失われていたファイルがいくつかあることに気づき、移行データの奥深くや大昔ののバックアップCDを探したら懐かしいのが出てきた。

写真の公爵夫人達は20代の私の習作。もうお菓子は教え始めていた。
ただひたすら手を動かし作ることが楽しかった幸せな時代。今にして思えば体力もあったし、賄いのばあや(母)も健在だった。
この当時はまだデジタルカメラなどなく、これは現像したものを昔スキャンしていたらしい。

あ、そうか、HPの方でこの画像を使っていたんだった。初公開じゃなかった… でも何枚かもう二度と作らないようなのがあるのでのせちゃおう。

公爵夫人のボディは地震で壊れてしまいました。一体だけダメージが少なかったのを残して処分。

でもパソコンのトラブルに対処できるまでに回復していて本当に良かった…
健康なときでも疲れるんだもの。
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by friand | 2012-01-26 10:53 | お菓子雑感

オーボン ヴュータン

私がフランス菓子店「オーボン ヴュータン」を知ったのはエコール・ルノートルでスタージュを受けているときだった。当時池袋西武のルノートルからルノートル製菓学校に派遣されていた職人とたまたま同じクラスになり、色んなことを教えてもらった。その時彼は日本に帰ったら絶対に「オーボン ヴュータン」に行くようにと言った。その聞き慣れない名前に私は何度も聞き返し、ノートにメモを取ったように思う。思い返せばそれは80年代の初め頃、河田氏が尾山台にお店を持ってからまだそんなに時間が経っていない頃だった。

フランスに一年ばかり滞在し、いくつかの学校でスタージュを受けてすっかり生意気になって帰ってきた私は、当時日本のどのお菓子を食べても水っぽく特徴無く、物足りなく感じた。そしてフランスの配合で作ってもイメージ通りの味が出来ない。美味しさが表現できない。気候風土、手に入る素材、日常口にしている食べ物などが全て違う。
ルノートルで出会ったO君の言葉を思い出し、私は尾山台の「オーボン ヴュータン」に出かけた。そして当時まだ店内にあったサロン・ド・テでいくつかのお菓子を食べ、衝撃を受けた。
フランスで食べて感じた美味しさがそこにあったのだ。80年代、今と違って材料は本当に手に入らなかったはずだ。
河田氏は日本の環境と素材で、日本の空気を吸い、日常日本の食べ物を食べ、日本的な文化にどっぷりとつかっている日本人に、フランスで食べた時と同じ感動、同じ美味しさを提供していたのだ。
80年代、90年代と私は奈良から定期的にオーボン ヴュータンを訪れた。その間河田氏のお菓子は決して私を裏切らなかった。
テレビ番組でブレイクした後、一時期まるで合戦の後のような光景だった時期もあるが…

オーボン ヴュータンの河田勝彦氏が新刊「古くて新しいフランス菓子」を出した。
河田氏がこだわり続けてきたフランスの大地と文化に根ざしたお菓子を「古典菓子」「近代菓子」「伝統菓子」の三つに分類しルセットを紹介している。そして今回特徴的なのはその菓子やそれを創り出した職人について詳しく解説していること。
特に「近代菓子」にはアントナン・カレームからガストン・ルノートルまで、フランス菓子の歴史を作ってきた職人についての略伝がきちんと載っていて印象深い。
私の書きかけと菓子職人の部分はほぼ同じ人選であったのが嬉しい。というかカレーム以降の流れはこれ以外にはないのだけれど。
私のリストには現役真っ盛りでかえって失礼かと思い、敢えて書いていなかったのだけれど同時代の菓子職人として河田氏の名前を最後に入れたいと思っていたのだった。


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by friand | 2010-10-12 18:52 | お菓子雑感

シュークリーム

d0003995_12303555.jpgお菓子のアイディアが泉のように湧いてくるときがあって、そんなとき、私ってひょっとして天才!? と思ってしまう。
私の場合、たいていそれは1月から3月くらいの間にやって来る。
家の中で温かいコーヒーを飲んだり、音楽を聴いたり、そんなゆったりとした時間とも関係があるのだろう。

今シーズン、寒い日が続いたので、私の意欲を満たすには最適のコンディションだったはずだった。
ところが昨年末から身辺が騒がしく、落ち着かない日々が続き、ああ、例年ならかなり作っているだろうな、とタイミングの悪さを呪いつつ、何一つ新しいものを作り出すことが出来なかった。
そしていまだなかなか「創り出す」生活に戻れない。
夏から秋冬にかけて今シーズンはどうするんだろう、なんて言っても仕方がない。
そのうち湧いてくるだろう。

そんなときにはシュークリーム。春のお菓子である。
フランス生まれであるのに滅多にフランスでは見かけないお菓子。
フランスでシューと言えば、サランボー、ルリジューズ、エクレール、パリブレスト等々。

でもこのシンプルなシューを食べる幸せ。作る幸せ。
ムスメの数学の先生が言っていたのだけれど、問題を解くとき、頭の中で考えいただけでは何も解決しない。
とにかく手を動かして、式を立て、図を書き、グラフを書くこと。
そうすれば頭が働き出すと。
確かにその通りで、実際に作り始めると思いもしなかったアイディアが浮かんだり、新しい発想が生まれたりする。
そんな訳でボチボチとリハビリを。
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by friand | 2010-05-05 12:46 | お菓子雑感

アフタヌーンティー

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美味しいスコーンの作り方を知りたいという生徒さんの希望で、そのグループごと英国菓子の得意な方のところへレッスン&アフタヌーンティーにうかがった。
このN邸は洋館風に建てられていて広いお庭とゆったりした応接室、素晴らしくしく広くて本格的なお道具の揃ったキッチンとダイニングルームという何ともうらやましい環境である。
素敵な調度と素晴らしいおもてなしの心を持たれた住人に感服。
こんな素敵な邸宅で素敵な生活をしているお友達がいるのよ、と自慢したくなる方の一人だ。


私はNさんのスコーンを食べて以来、ずっと教えていただきたいと思っていたのでこのレッスンには大乗り気だった。
d0003995_1956450.jpgサンドイッチ(4種類も!)をあらかじめ用意しておいて下さった。
日本の食パンだとふわふわし過ぎているのでわざわざ英国風にちょっとパサパサした感じのパンをお母様が焼いて下さったそうだ。

スコーンとビクトリアケーキはデモンストレーションで見せていただく。

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d0003995_19582281.jpg焼きたてのスコーンにはクロテッドクリームと赤いいちごジャム。
ビクトリアケーキにはちょっとハーブの香りを付けてレモンカードを挟む。赤いジャムと生クリームを挟むのが伝統的なスタイルだそう。

美味しい紅茶をたっぷりといただきながらの午後のひととき、Nさんの細やかな心遣いと細部までにわたるこだわりと楽しいお話し、私をはじめ皆さん大満足でした。



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by friand | 2010-05-02 10:57 | お菓子雑感

Pavés パヴェ

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MOFのショコラティエ、ミッシェル・ショーダンのパヴェをいただいた。
ピスターシュとノワ・ド・ココ。
リボンに付けられたエンボスの封印(なんて呼ぶんでしたっけ)がショーダンのこだわりの一つである。
やっぱりこういうのはかっこいいなあ、と思う。

d0003995_12124374.jpgd0003995_12125819.jpg1.5センチ角の立方体が敷き詰められた敷石。ちょっと一口つまむのにちょうど良い大きさだ。
ピスターシュがほのかに香る口溶けの良いガナシュ。
周りに付けられたピスターシュのパウダーもあまり邪魔にならない。
ココナッツの方は口にココナツパウダーがかなり残る。これは好き好きだろう。
ココナツ好きはこの残る感じを含めて好きだと言うし、苦手な人はそれがイヤだという。私はどちらかと言えば後者かな。

私はベーシックな味が好きだ。
だからこういうパヴェの箱なら全て何かの風味、と言うより半分はナチュール、残りにパルファンが付いている方が個人的には嬉しい。
アイスクリームを食べるときは必ずバニラ風味と何か別の風味の2種類を選び、一種類しか選べないときには絶対にバニラを選んでしまう私だ。
ベーシックな味を味わってはじめてそのヴァリエーションの価値がわかるような気がするのだ。
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by friand | 2010-03-03 17:58 | お菓子雑感

日本の板チョコ

今日は月に一度の地域FM局ラヂオつくばの日。
10分足らずの短い時間だがお菓子の話などをしている。
今日は2月、ということもあってチョコレートのお話。

ボンボン・オ・ショコラを初めとする近頃のショコラの話のあと、金曜日のパーソナリティーの江田麻裕子さんが
「ところで私、日本の普通のチョコレートってトテモ美味しいと思うんですけど」と言った。
その通り。普通にスーパーで買える板チョコのレベルで言えば、日本のチョコレートは本場のヨーロッパより遙かに美味しいと言うことに私も同意なのだ。
明治のミルクチョコレートとかロッテのガーナミルク チョコレート などは子供の頃から大好きな板チョコだ。
特に明治の板チョコの銀紙をはがし、カリッと丸かじりする感触はたまらない。最初から最後までみんな自分で食べるのだ。

ボンボン・オ・ショコラのレベルはヨーロッパは日本より遙かに高いし、原料のチョコレートの質も良い。なのにどうして板チョコは日本の方が美味しいんだろう、と放送が終わり帰りの車を運転しながら考えてた。

そういえばヨーロッパで買ったネスレなどの板チョコは日本の板チョコに比べてずいぶん分厚かったように思う。市販のチョコレートで美味しかったのはスイスのリンツエキストラシン・シリーズくらいだな、と思ったとき、あ、そうか、日本人にとって大切なのはカリッと来る薄さなのか、と気づいた。ガリッじゃダメなんだ。
と言うわけで、日本ではチョコレートの原料が高いことが幸いしてかどうかはわからないけれど、薄い板チョコが主流になっていてそれが幸いしているのかな、と想像した。
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by friand | 2010-02-20 08:18 | お菓子雑感

ラベル

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フランス音楽研究会にビジュアルアートの方面から参加・協力しておられるBさんにお願いして作っていただいた
チョコレート用のラベル。
Mme. igrɛk (マダム イグレック)の igrɛk とはフランス語の“Y”のことであり、発音記号の表記である。
私のファーストネームの頭文字だ。

“Y”の文字をモチーフに私のトレードマークでもあるヘアスタイルを組み合わせてあっという間にこのデザインを作り上げて下さった。
もうもうこれで今年のモチベーションは上がりまくり。
手持ちの10個入りの箱がダークグリーンなので(この箱に何とか合うようデザインしていただいたのだけれど)合う包装紙を見つけるのが難しくて、何度もお店に足を運んだ。
結局包装紙は黒を取り寄せてもらい、リボンをラベルと同じピンクの濃淡に。
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by friand | 2010-02-11 08:16 | お菓子雑感

出来上がりました

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2010年のボンボン・オ・ショコラが出来上がった。
今年の包装は黒でシックにまとめる。

去年の暮れパリに行ってきた友人が、「今年のパリはピンクよ」と言っていたが、伊勢丹のsalon du chocolatでもピンクがとても目に入った。
またアールデコ風のデザインも目立ち、この路線で楽しんで見ようかと。
デザインのほうで強力な助っ人が現れたのに甘えてオリジナルのラベルなど制作してもらった。

以後、少しずつ開帳してまいります。
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by friand | 2010-02-10 13:19 | お菓子雑感

瑞々しいもの

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チョコレートを作り続け味見を続けていると、舌が段々荒れてくる。
風邪でもひけばもうとんでもない状態になる。たとえ軽い風邪でも。
そんなときチョコレートの出来が悪いのか体調が悪いのかさっぱりわからなくなり自信をなくしてしまう。
去年私はそういう状態で、舌に信頼の置ける人に試食してもらい、OKを出してもらってやっと安心したのだった。
数日経って嘘のように美味しく感じられるようになった時は本当に嬉しかった。

今年は舌の調子は万全とは言えないのだが、まあ何とか味わい分けることが出来る程度には保たれている。
それでも水分のある瑞々しい食べ物が欲しくなる。
↑こんな風な。

私がこの世で最も好きな食べ物の一つがミル-フイユである。
パイ生地をきっちり焼いてカスタードを合わせたという点ではこのタルトも大好き。
季節のいちごをのっけて疲れた舌を一休みさせる。
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by friand | 2010-02-09 06:47 | お菓子雑感

数々の失敗

今までショコラを初めとするお菓子作りは結果しか書いてこなかったが、当然のこととして数え切れないほどの失敗談がある。
今回のまさかのブルーミングを初めとして、真っ青になるようなコトが毎回起こっている。
ショコラは生き物だ。
素材のカカオ豆も農産物加工品で同じ銘柄でも毎年少しずつ使い勝手が違う。
気温も湿度も、そして新作は思わぬ失敗があり、どっと疲れたりする。

ショコラティエとして毎日触っていると敏感に反応できるのだろうけれど年に1.2度ではやはり「あ、そうだったのか」と思った頃にシーズンは終わっている。
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by friand | 2010-02-06 20:04 | お菓子雑感