<< 絶対味覚 ひとりで… >>

赤福

関西在住で特に近鉄沿線に住んでいて「赤福」を食べたことのない人はほとんどいないだろう。それほどにポピュラーな土産物であり、名物であり、手に入りやすい値段も手頃な菓子である。
私はかねてより、かくも関西、特に近鉄沿線の津々浦々にまでで販路を広げている「赤福」が製造日の日付が全てその販売当日であることに密かに尊敬の念を抱いていた。
この命に短いあんこ餅をその日のうちに製造し搬送し、販売する。しかもかなりの広範囲の地域に渡って。
その努力たるやいかばかりか、と思っていた。だから私はそこまでして製造当日にこだわっている菓子であるから、食する側もその努力に報うべく、極力はやく食べてねばならないと思っていた。
それはその菓子の日持ちの限界が何日か、という問題ではなく、作り手の食べ手へと手渡すために払われた努力に対してそうすべきだと思っていた。
何とお人好しな、と情け無い気分になる。

私は何度か伊勢神宮前の本店で「赤福」を食べたことがある。
駅の売店で買ったものよりはるかに餅が柔らかくて美味しさは別格だった。
その時私は疑うべきだったのだ。駅の売店のものは古いのではないかと。
しかしお人好しの私は、「赤福」の美味しさはかくも儚いものなのか、当日作り上げたものでも刻一刻味が落ちるものなのか、と思ってしまったのだ。

「こんなことくらい」どこの菓子屋でもやっているのかもしれないとも思う。
でも、自らの財布でお金を払って「赤福」を食べることはもうないだろう。
[PR]
by friand | 2007-10-21 11:54 | お菓子雑感
<< 絶対味覚 ひとりで… >>