私はボンボン・オ・ショコラの美味しさは
一に鮮度 二に素材(原料のメーカー) 三、四がなくて五に技術、 だと長い間思っていたのだけれど、最近考えが変わって、鮮度、素材、技術のどれがかけてもダメだという結論に達した。 鮮度 日本人はチョコレート(ボンボン・オ・ショコラ)の鮮度についてほとんど無頓着であるが、賞味期限はガナシュ系で製造日から10日、ジャンドゥヤ・ナッツ系で2,3週間というところだろう。ただこの違いは本当に鮮度の良いボンボン・オ・ショコラを食べた人にしかなかなかわかって頂けない。 一般には出来るだけよく売れている店で買い、すぐ食べるしかない。上等なのをもらったんだから、少しずつゆっくりと、なんて言うのはいけません。手許に届くまでに10日以上経っていることがほとんどですから。 私は1年に一度だけボンボン・オ・ショコラをプレゼント用に作りますが、出来上がってから四日以内に届くようにするため、とても忙しい思いをしています。そして、届いたけれどまだ食べていない、という電話が来るととても腹が立ちます、そんな暇があったら早く喰え、と。 素材 最近ではヨーロッパの一流のチョコレートが手にはいるので一定以上のレベルの材料を使えばまず間違いない。あとは味の好み。 香料の使い方など日本のチョコレートはこの点ではまだまだ。 私は最初の頃、トブラー、カルマー、スシャールなどスイス系のチョコレートを使うことが多かった。特にカルマーはなめらかさと作業性に非常に優れていたので、安く手に入るルートのある時はよく使っていた。しかし、正規の値段でしか手に入らなくなり、それがまた、べらぼうに高かったもので、その後スシャールを好んで使っていた。 そのスシャールが問屋の都合で手に入りにくくなり、今度はカカオバリーとヴァローナに。 二種類使っているのは単に経済的な理由。カカオバリーのクベルチュールはそのままでは少し粘度が高くて使いにくいが味が良く、種類も豊富で値段が手頃。 ヴァローナは値段は少し張るが作業性が良い。 ということで折衷しているというわけ。 最近、カルマーが少し手頃な値段になってきているのだけれど、何年かフランス系のチョコレートを使い続け、舌が慣れてしまったせいか、スイス系のマイルドな上品さが少し物足りなくなってしまった。 ただ、今年のヴァローナは何故か作業性が悪く使いにくかった。これが室温や湿度のせいなのか、製品のせいなのかは不明。 技術 ボンボン・オ・ショコラの美味しさは外側のコーティングが薄くて、食べたとき「カリッ」という。絶対に「ガリッ}ではない。そしてセンターがガナシュなら、歯の型がつくくらいに軟らかい。 そして、とても基本的で重要なことなのだけれどセンターのガナシュは絶対に分離していてはいけない。分離したガナシュで無理矢理作ると鮮度が良いにもかかわらず不味い。
by friand
| 2006-02-15 16:22
| お菓子雑感
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